Archive for the ‘未分類’ Category

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土曜日, 3月 7th, 2009

試作品でも不良品でも何でもいいのだが、技術者の仕事のひとつに、解析する、というのがある。

実物を観察し、その特徴を抽象化し、データを処理し、報告書にまとめる、というのが大まかな流れだ。

これは、山師が宝石を採掘する仕事と、それほど変わらない。

技術者はまず、実物を観察する。アタリをつけるためだ。鉱脈を掘る作業に当たる前に、そもそもどこが鉱脈なのかを見極めなければならない。鉱脈の無いところでは、いくら掘っても何も出ない。

大抵、時間が掛かるし、ちっとも進まないように見える。もちろん誰にも評価されない。そのため、この作業は非常に精神を消耗する。だが、納得するまで続けろ。アタリをつけないまま写真を1,000枚も撮ったところで、出来上がるのは屑の山なのだ。

アタリをつけたら、いよいよ掘る作業に入る。特徴の抽象化だ。

それが本当に当たりなのかどうかは、信じるしかない。100個だろうが、10,000個だろうが、数えろ。写真を撮れ。数値化し、相対化しろ。3時間で終わるかもしれないし、8時間かかるかもしれない。何日もかかることもある。

とにかく掘り続けろ。掘っているときに、隣の山が気になるときがあるかもしれない。あるいは、ルビーを掘っている途中で、金の鉱脈を見つけてしまうかもしれない。

迷ってはいけない。隣の山は良く見えるだけだ。金の鉱脈はそれはそれで素晴らしい価値を生むかもしれないが、後回しにしろ。我々のお客様は、とにかく一刻も早くルビーをとお望みだ。

抽象化されたデータは、原石だ。我々や我々の仲間はその価値を十分に認識しているが、多くのお客様はその価値が解らない。原石をごろんと出しても、お客様は買ってくれない。磨け。原石を研磨して、宝石にして出すのだ。これがデータ処理だ。

数学理論が、磨くための道具になる。高度な統計処理を施されたデータほど、より高い価値のあるデータになる。つまらない原石に見えても、磨けば輝く場合もある。熟練した職人ほど見事な研磨を施す。

だが、基本的にはGIGOだ。石は磨いても石だし、小さい原石は磨けない。10点やそこらのデータに統計処理を施すな。無くなるから。

宝石と同じように、この過程で、情報は必ず小さくなる。だが削られた情報に未練を残すな。それを削ったおかげで、宝石は輝きを増したのだ。大丈夫だ。新たに生じたその美しい面に、必ず証拠が残っている。

最後に、データをまとめて報告書を作る。これは営業だ。

素晴らしい宝石は、いずれ誰かに見出してもらえる、などと信じてはいけない。営業しなければ、だれも買ってはくれない。見栄えのする広告チラシを作成して、お客様に提示しなければならない。

我々が知らせたいものを知らせるのではない。お客様が見たいものを見せるのだ。相手に合わせて、常に見せ方を変えろ。大人には大人向けの、子供には子供向けの宣伝手法があるはずだ。

写りのよい写真を前面に出せ。飽きないように工夫しろ。この期に及んで、山師のプライドを残すな。飾れ。誇張しろ。ただし迎合はするな。

報告書の作成は、多くの場合、再利用できない細かい手間作業になるが、しかし時間を惜しむな。そして山掘りに逃げるな。

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土曜日, 3月 7th, 2009

まだインターネットが今ほどに広がっていなかったころ、インターネットの情報は珍しく、価値の高い情報だった。一方で、インターネット上の情報はどれも特殊すぎて、扱いにくかった。近所のひまな人が打ち込んだバスの時刻表は役に立ったが、信頼性はなかった。

やがて、誰もがインターネットで繋がるようになった。表面実装されたLSIを取り外す方法から、今日の特売チラシまで、あらゆる情報がインターネットに載るようになった。

プロの作るサイトが増え、質も向上した。近所のひまな人が打ち込んだバスの時刻表は、バス会社の提供する公式情報や、ダイヤ検索サイトに置き換わった。ペイントブラシで書かれた交差点の繋がっていない案内地図を見なくても、住所を打ち込むだけで、正確で詳細な地図が見られるようになった。

しかしながら、インターネット上の情報の価値そのものは減少し続けている。

誰もがインターネットを利用するようになって、ネット上の情報は、珍しいものではなくなった。検索エンジンの高性能化が、情報の価値をさらに押し下げた。どんな情報でも、ネットに上がったその瞬間から、誰もが知っている当たり前の情報になった。

いまや、インターネットに載らない情報の方が、はるかに高い価値を持つようになった。

情報の価値は、その質よりも、希少性のほうがはるかに大きい。

どんなにつまらなく些細なことでも、いま世界で自分しか知らないという情報こそ、もっとも価値が高い。

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日曜日, 2月 1st, 2009

デザインを殺風景な感じにリニューアルしてみた。バックアップは取っていないので、もう戻せない。

Firefoxで合わせ込んだので、IEだと、微妙に意図したデザインにならない。あんまりどうでもいい。

レイアウト上の変更点としては、まず、表示領域の横幅を広くした。一行20文字足らずの文章は、書く方にも、読む方にも、高度な技能が要求されるような気がする。一文字ずつシーケンシャルに読むタイプの人間にとっては、ある程度行が長いほうが、眼筋制御の負荷が下がって読みやすい。

あと、文字の均等割り付けを指定してみた。Firefoxだとかなり良くなる。IEの表示は、英文字と日本語が混在している文章で、英単語が奇妙に分割されるので、あまり良くない。

しかしIEで見て一番違和感があったのは、フォントがMSゴシック+Arial混在だったことだ。せっかくメイリオがあるのに、なんでデフォルトじゃないんだろう。

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日曜日, 2月 1st, 2009

しばらくぶりに全面的に部屋の掃除をしたら、居住空間が3倍ぐらいに広がって、とても快適になった。床を踏み歩くのに、パズル的思考が必要ない。今日のきれいな部屋は、明日のきれいな部屋を再生産する。

しかしながら、綿埃の増殖速度は凄い。数時間でもうっすらと積もりだし、数日放置するだけで複合体に進化する。奴等は宇宙生命体に違いない。

で、勢いに乗って、ディスプレイを縦においてみた。前々から考えていたのだけど。

デスクトップ縦

現在使用中のI/O DATAのLCD-TV241Xは、回転には対応していない。VESAマウンタを別に買えば自由自在だが、当面その予定がないので、とりあえず台座をを取り外して、90度回転させて取り付けた。

台座を分解して分かったことには、製造時に方向を間違えて取り付けたりすることが無いように、随所に工夫がされている。標準規格のねじ穴の位置は4回対称になっているので、基本的には、マウンタを90度回転させても取り付けられるはずである。しかし、標準の台座と本体だと、お互いの金属やプラスチックの部分に付けられているちょっとした突起が邪魔して、90度回転した状態では間違っても取り付けられないようになっている。

製造時のミスを物理的に防ぐ、優れた設計だ。でも今回は仕方が無いので、こちょこちょと加工した。

縦置き表示は、良い。

画面をスクロールせずに文章を読めるので、集中力が途切れない。また、多くのWebページが1画面に収まるので、目的の情報を見つけるのが容易になる。たとえば、googleの最初の検索結果10件が、1画面に収まる。

ウィンドウを上下に分割して編集するのも、それぞれの画面が広くなり、かなり実用的になる。行単位編集の流れ的には、横幅が固定されていたほうが都合の良い場合が多いので、上下が広いほうが分割編集がやりやすい。

欠点もある。が、ほとんど慣習上と習慣上の問題だ。

ひとつは、ClearTypeが縦にサブピクセルが並んでいることを想定していないため、個々の文字の視認性が失われること。文章全体の視認性が良いだけに、惜しい。次期Windowsでは、何とかなるとかいう話もある。現状でも、使えないレベルではない。偽色が見えるが、アンチエイリアスなしよりは全然見やすい。

もうひとつは、タスクバーを下に置くと、遠すぎること。マウス操作が意外と疲れる。というのも、左右方向のマウス操作は手首だけでなんとかなる一方、上下方向は腕全体を動かす必要があるので、意外に負担が大きい。かといって、横にタスクバーを置くと、さすがに画面が狭い。

あとは、使っているLCDの仕様で、長手方向の視野角より高さ方向の視野角のほうが小さい、ということ。基本的に縦置きにするユーザは少数だろうから、長手方向の視野角を優先するというのは当然だろう。しかし、実際縦にしてみると、高さ方向の視野角が狭いのが良く分かる。ディスプレイの正面から外れると、右目と左目の見る色が違ってきて、ちかちかする。

縦置き表示は、読んだり書いたりの作業をするには、とても適している。でも、この先主流になることは、多分ないだろうな。

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金曜日, 1月 23rd, 2009

Inspiron mini 9を買った。Windows XP, 1GB RAM, Atom N270 1.6GHz, SSD 16GBで47,591円。

Inspiron mini 9

これで、いつでもどこでもNetHackがプレイできる。購入目的の半分ぐらいがそれ。しかし存外にキーボードが打ちにくいため、若干挫折中。エクストリームNetHackの道は険しい。

ゼロスピンドル・ファンレスなので、動作音は全くない。ThinkPadみたいに、コンデンサが鳴いたりもしない。ファンレスながら、負荷をかけた状態でも、許容できないほど熱くなったりもしない。Libretto L1は発熱する部分が偏っていて若干気持ち悪かったが、それもない。

ネットで調べたところだと、初期状態でSSDが圧縮されているということだったが、実際に届いたのは圧縮されてはいなかった。年明けになって、改善されたらしい。

とりあえず環境構築として、ERAMを使ってRAMディスクを作成し、 テンポラリフォルダを退避した。ERAMはFATでフォーマットされているが、OSがデフォルトでNTFSのドライバしか読み込まないようになっているため、FASTFATを有効にする必要があった。

ボトルネックになるSSDへの書込みアクセスを抑えるため、インデックス作成を無効に設定。Google Desktopもアンインストール。ページファイルもなしに設定。 復元ポイントの作成は、最初から無効になっている。

休止状態は微妙ながら、とりあえず有効にしてみた。メモリ退避にはやや時間がかかるが、十分実用的な速度。いずれ物理駆動しているわけではないので、指示後、直ちに放り投げても問題ない。休止状態からの復帰はさすがに速い。

ただし、それなりに大容量の書込みになるので、SSD寿命が気になる。まあ、16GBの内蔵SSDの寿命が来るころには、160GBの高速SSDが安価に買えるようになっているに違いない。

製品にはリカバリディスク(2枚)が付いていた。どのように使うのかは不明。SDカードに落とせたり、ネットワークインストールに対応していたりすると良いのだけれど。

Visual C++ 2008 Express Editionをインストールしてみる。最初はテンポラリフォルダ(RAMディスク)の容量が足りずに失敗。RAMの容量を上げて再起動したら、今度はRAMディスクそのものが作成されなくなった。OS上メモリでは、128MBぐらいが確保の限界らしい。

仕方がないので、SDカード上にテンポラリフォルダを設定して再挑戦。死ぬほど時間がかかるので中断。デスクトップ機のHDDをネットワークドライブに割り当てて、テンポラリフォルダに設定。 そこそこの速度で進むが、また途中で失敗した。

ここで、USB接続のHDDが眠っていたことを思い出す。接続し、テンポラリフォルダを再設定。時間はかかるが、インストール成功。苦労したものの、普通に動く、としか言いようがない。

動画再生テスト。DVD品質のmpeg2は問題なく再生できる。VGA解像度ぐらいのH.264もOK。60fpsも単体ならぬるぬる動く。ただし1280×720はNG。なので、性能的にはPentium 4レベルと思われる。

外部ディスプレイ出力は、24インチワイドの1920×1200でもちゃんと表示してくれる。ただし、デジタル出力に慣れていると、mini 9のアナログ出力はかなりボケて見える。 しかし、実際のところ、滲んでいた方が文字を読みやすいことに気づいてしまった。

欠点としては、敢えて繰り返すと、やっぱりキーボードの配列が変態的過ぎる。キーピッチが均等でないし、ホームポジションがセンターから微妙に左にずれているため、最初にキーに触れるとき、どうしてもひとつ右にずれてしまう。あと、Librettoを使っていたときの癖で、自然にアキュポイントを探してしまうのも困るが、これは比較的どうでもいい。

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金曜日, 1月 9th, 2009

灰羽連盟の音楽を聴いていたら発作的に本編を見たくなったので、amazonでDVD-BOXを注文しかけたところで、ハタと気が付いて本棚を調べたらそこにあった。危ないところだった。

で、そこにあることを確認したら、安心して、別に見なくても良くなった。

アングルの書架には、そんなDVDたちが、沢山詰まっています。

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水曜日, 1月 7th, 2009

お勧めのMMORPGを教えれ → 人生

という流れにはもはや様式美すら感じられる。

この場合のMMORPGはMassive Multiplayer Offline Race Preservation Gameの略で、大規模プレイヤー参加型・現実世界の種族維持ゲーム。

NihonサーバではPK行為は許可されないが、システムとして禁止されているわけではない。プレイヤーの平均生存時間は比較的長めで、難易度は高くないが、低くも無い。面倒な作業を自動化する便利アイテムの値段が低く設定されている代わりに、生存に不可欠な食糧アイテムの価格はやや高めに設定されており、不用意な浪費はゲームオーバに繋がる。一方、天変地異の発生率が高く設定されているため、プレイングには諸行無常の心得も欠かせない。

PK上等のサーバや、開始早々、何の庇護もなしに放り出されるというシビアなサーバもあるが、開始時にサーバを選択することは基本的に出来ない。

人生は、プレイヤーの数が極めて多いため、ひとりが引退しても、ゲーム全体に与える影響はきわめて軽微である。

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木曜日, 12月 25th, 2008

よく晴れた夜の空はもちろんだけれども、この辺りは多少曇っていても、かなり星が見える。

星は、よく見ようとして注視すると、逆に見えなくなる。ちょっと目を逸らして見たほうがよく見える。

一時期LEDやLDで遊んでいたので、網膜を一部焼いてしまったのだろうか、と思っていたけれども、そういえば、と思い出して調べてみたら、やはりどうもヒトの目は普通にそういう仕様らしい。

網膜の中心部の視細胞はほとんど錐体で、桿体はあんまりない。なので、星空程度の明るさでは、感度の低い錐体はほとんど役に立たず、中心部では見えなくなる。

星空の平均的な明るさは、宇宙の背景が3Kぐらいなので、およそ-270℃ぐらいの黒体輻射で決まる明るさ……などということはなく、上空大気の温度、-30℃ぐらいの黒体輻射で決まる明るさ、だと思われる。

まあとにかく、冬の夜空を見上げると、眼球の中に光の速度で冷気が流れ込んでくるので、気をつけよう、というファンタジー。

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水曜日, 12月 24th, 2008

で、最近見つけたNetHack2000+8(3.4.3-0.10)が必要以上に個人的要求を満たしていて素晴らしかったので、それで解決してしまった。

NetHack2008

画面は撮影用で、 普通は、開始早々1階の泉を飲んだりしない。

しかし、ここまで至れり尽くせりでも気づかずに飢餓状態のまま敵に突っ込んで終了する自分には、何か根本的な注意力の欠陥があると思った。

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月曜日, 12月 22nd, 2008

Visual C++ 2008 Express Editionでjnethackのビルドに成功した。古いVisual Studioのプロジェクトファイルがあったので、VC++2008で開いて自動変換、互換性のないところを数行書き換えれば、普通に動くようになった。

妙なエラーが出るときもあるが、何回かビルドを繰り返せば成功する。理由は何となく解るような、解らないような。個人的にはどうでもいいレベル。

とりあえず、ゲームのルールを変えない範囲で手を入れてみよう。

個人的によくあるミスとしては、重要なメッセージを見過ごして死んだり、HPが少なくなっているのに気づかなくて死んだり、左斜め上にy連打で移動中に友好的な生き物を殴りつけて怒られたりというのがあるので、そこんところを何とかしたい。

たとえば、メッセージを読みやすい場所に配置したり、HPが少なくなってきたときに注意を喚起するような色表示をしたり、デフォルト選択肢がnの場合のyes/no選択でyを選択する場合は念のためCtrl+Alt+Yを入力させるぐらいのことはしても、ルールを変えている訳ではないと思うのだけれども、どうだろう。

VC++のプロジェクトは、ソースコードを読むのにも便利。global、doxygen、Source Navigatorと色々試してきたが、色々設定をいじらなくてもマクロを自動的に展開して構文解析してくれるのは強い。

ちなみにdoxygenだと、NDECL等、5つぐらいマクロ定義すればそこそこ読めるようになる。ただし、古い形式の関数宣言を解析できないため、クロスリファレンスが半分ぐらい繋がらない。

Souce Navigatorだと、同様にNDECL等マクロ定義すれば、かなり読めるようになる。古い形式の関数宣言も解析できる。ほとんどの関数のクロスリファレンスが拾える。メンバ変数は見れたり見れなかったり。ただ、ソフトの操作性の悪さが致命的。

その点、VC++の統合環境だと、最初から本気で構文解析してくれるので、とくにこちらからマクロ定義を指定する必要がない。メンバ変数のクロスリファレンスが完全に拾えるのも素敵。

しかしまあ、何がここまで駆り立てるのか。