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よく晴れた夜の空はもちろんだけれども、この辺りは多少曇っていても、かなり星が見える。
星は、よく見ようとして注視すると、逆に見えなくなる。ちょっと目を逸らして見たほうがよく見える。
一時期LEDやLDで遊んでいたので、網膜を一部焼いてしまったのだろうか、と思っていたけれども、そういえば、と思い出して調べてみたら、やはりどうもヒトの目は普通にそういう仕様らしい。
網膜の中心部の視細胞はほとんど錐体で、桿体はあんまりない。なので、星空程度の明るさでは、感度の低い錐体はほとんど役に立たず、中心部では見えなくなる。
星空の平均的な明るさは、宇宙の背景が3Kぐらいなので、およそ-270℃ぐらいの黒体輻射で決まる明るさ……などということはなく、上空大気の温度、-30℃ぐらいの黒体輻射で決まる明るさ、だと思われる。
まあとにかく、冬の夜空を見上げると、眼球の中に光の速度で冷気が流れ込んでくるので、気をつけよう、というファンタジー。