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二週間ほどまえにふと思いたって、新潟の石油採掘跡を見に行った。
ここでは、それほど山深く無い場所ながら、地中から自然に石油が染み出している。古代には「燃ゆる水」として、当時の大津京まで献上されたこともある。
シダ植物で絡めとるような採取方法が、この場所での特徴的な採取方法。エンジンや石油化学の無い古い時代からも、石油は、照明用などとして、それなりに需要があった。
近代になるにつれ、自然に染み出してくる分では需要がまかなえなくなった。
しかしここでは、深いところからポンプで汲み上げるような状況でもなかったらしく、山中に井戸を掘って直接石油の採取を続けた。
その井戸が、いまでも山中に無数に残っている。指定された領域の外に出ないように注意を促す看板があり、実際、歩道ではないところには、そこそこ深い井戸が無造作に残されている。雪の積もった冬に行くと、間違いなく転落する。
近くには石油の採掘の歴史を記録した記念館があるが、行ったときには開いてなかった。冬季休業なのか閉鎖なのかはよく解らない。
このほか新潟には、ポンプを使って採掘していた場所も別にある。