隔日記 0xDF/0x100
読みました。
量子コンピュータとは何か 水谷 淳 訳
本屋でASCIIの4月号を探しながら、何か本を買いたいなあ、
と思った瞬間に立っていた本棚に刺さっていたので買った本。
ちなみに、ASCIIは4月号だけを95年からずっと保存している。
パソコン変遷の歴史を思い起こすために。
95年以前の物も保存しておけば面白かったなあ、と思う。
95年から後は、基本的にWindows95後、の時代だし。
閑話休題、内容は比較的軽い。
でもコンピュータの基礎的な概念から量子コンピュータの基礎概念、
現時点での実装についてひととおり過不足なく書いてあると思う。
普通のコンピュータ系ジャーナリストが自分の理解の順序で書いているので、
専門でなくても非常に読みやすかった。
ただ、専門知識が要るところはかなり薄めてあるみたいだけど。
重ね合わせの割合や絡み合いの詳しい議論なんかはばっさり切ってある。
実際そこが知りたいのだけど・・・。
量子計算機は、デジタル計算機で言うビットの代わりに、量子ビットというものを扱う。
量子ビットは0〜1の重ね合わせの状態を持ち、
さらに量子絡み合いなんかを上手くごにょごにょすることで、
デジタル計算機では事実上計算できない計算が量子計算機では出来る。
宇宙全体の資源を使って作った無数のデジタル計算機が、
宇宙が始まってから終わるまで計算しても仕切れない計算だとしても、
量子計算機なら計算できる。
量子コンピュータってのは、アナログ回路みたいなものかな、と思った。
回路に電圧をかけて電流を流すだけで、例えばこの抵抗に電流がいくら、
電圧がいくら、というのが自動的に決まる。
今NMRとか、ピン留めしたイオンとかでやっている量子計算は、
そういうアナログコンピュータ世代のものなのかも。
この莫大な計算能力はいったいどこから来ているのか、と言うけど、
それはつまり、回折格子やホログラフにレーザーを入れるだけでフーリエ変換完成、
とか、そういうものなのかも。
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