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(256) SASI HDDについての情報 by junnno at 2007/01/22 00:22:10

メールにて、SASI HDDのデータ吸出しについての貴重な情報をいただきました。
転載の許可を頂いたので、載せておきます。

--
『98HDDをディスクイメージに変換しよう 』に『SASIは不可能』と
ありますが、様々な制約がありながらもSASI HDDはSCSI I/Fに
接続して読み込む事が可能です。
3.5'のSASI HDD(ドライブのみ)はぱっと見ではSCSI HDDと間違え
そうなくらいよく似ています。

SASI HDDとSCSI HDDの共通・類似点
・I/Fが50pである(ピン配置も同じ)
・電気的要件がほぼ同じ

相違点
・アクセス方式にLBAが使えない
・終端の仕方(SASIでは終端抵抗を必ずドライブに取り付ける、
 SCSIはターミネータによる外付けも可)
・SASIでは複数のホストによる運用ができず、SCSIではこれが
 できる
・それに伴いSCSIはホストにもIDが割り当てられている(そのため
 SASIはバスに最大8台(98では諸事情により2台)、SCSIは7台)

仕様上、電気的に互換性がある事になっており、実際にX68kの
SASI I/FにSCSI HDDが接続できたり、SASI/SCSI両用HDDという
ものもあった事から、あまりにも旧い機種(ST-506をアダプタで
変換しているもの等)以外は接続できるものと思われます。

SCSI HDDの場合は『念のため』1台で読み込みますが、SASI
HDDを読み込む場合は『必ず』1台でやります。SASIとSCSIを混在
すると余計なトラブルが起こりかねないためです。元のシステムが
SASIを2台使用していた場合でも1台ずつやります。
(その場合、片方には終端抵抗がついていないので他方から移植
します。元に戻す際にこれも戻すのを忘れないように。
SASIではバスにターミネータ用電源を供給するようになっていない
ので、ターミネータを外付けにしても動かないかも知れません
(動く場合はI/Fからの給電による))

この方法で、PC-98H53(40M 1台目用)とICMのSR-80(80M 1台目・
増設兼用)のデータを読み込む事ができました。
ありがとうございました。

多分、1台目用のPC-98H31/33/51(順に5/10/20M)や増設用の32/34/
52/54(順に5/10/20/40M)でもできると思います。
1台目用はSCSI I/FからはID:0として、増設用はID:1として認識
されます。

ちなみに、SASI/SCSI両用機ではSCSIに接続するのを前提とした
仕様になっています(この例とは逆にSCSI用に作っておけば、
SASI I/Fに接続しても電気的には何ら問題ないため。ソフト的
にはSASI用のCHSとSCSI用のLBAの両方に対応した仕様にする)。

--

> SASIとSCSIは似て非なる全くの別物だと思っていました。
> 技術的には同系統のものだったんですね。

SCSIがSASIを元に定められた規格だからです。
ちなみに、現在の規格ではSASIとの接続性は保証されていませんが、
SCSI1の頃はSASIとの接続性が保証されていました。

現在手に入るI/Fで接続できないのは、ESDI(H98の一部機種に
採用)とかですね(ESDIでもST-506のコントローラで読めるとか
読めないとか?)。ST-506(初期の内蔵HDD)は入手困難ですが、
根気よく探せばコントローラが手に入るかも知れません。


前回の2機種の他に、TEACのSD-340も使えました。
(RX/RA(/RS/DX/DS/DA)用サードパーティ製内蔵SASI HDD
ユニットに入っていましたが、元々はSCSI用)
web.archive.org/web/20050330181011/www.teac.com/DSPD/pdf/hdd0070a.pdf

RX2/RA2用という事(RX21/RA21からは内蔵SCSI用スロットも装備)
で、SASIといっても末期の製品なのでSCSI用HDDを使っているの
でしょう。

---
できれば、XPを使用していても、SASIの吸い出し時にはMeの
起動ディスク(XPでFDをシステムフォーマットするとMeの起動
ディスクができます)を使ってFAT16かFAT32のパーティションに
書き込んだ方がいいですね。
サードパーティ製でも(確か)80Mが最大なので、FAT32パーティ
ションで間に合います。

パラレルポートにSASI HDD/SCSIデバイスを接続するEasyHardと
いうケーブルを作れば、SCSI I/Fがなくてもパラレルポートが
あれば接続できます(このEasyHardも元々はSASI HDDを接続する
ためのものでした)。
web.archive.org/web/20021008192707/photo-m.tp.chiba-u.ac.jp/~yjo/priv/pc/eh/index.html
www.vector.co.jp/soft/data/hardware/se015791.html

XPの起動ディスク(Me)とEasyHardを使うのが手っ取り早いですね。

最後に、内蔵HDDの場合、機種によってはBIOSがSASIとなって
いても実際のHDDはST-506の場合もあるのでご注意。
ex. VX41のHDDはD3126(ST-506 20M)
info.ipsj.or.jp/katsudou/museum/computer/NEC-D3126.html
www.ipsj.or.jp/katsudou/museum/pic_page/NEC-D3126.html

この場合はST-506用のコントローラ(NEC DS300/500(ホスト側は
SASI)や富士通 M1055B(ホスト側はSCSI)等)が必要ですが、
HDD以上に入手困難です。
外付けの場合、1台目用ユニットにコントローラが内蔵
されている場合もあり(増設用は1台目のコントローラに接続
するため省略)、これの内蔵用への流用ができる場合もあります。

1台目にコントローラがある場合は、増設用も(1台目の)コント
ローラ必須です。増設用単体では、物理的にI/Fに接続できても
動きません。
I/F〜(ケーブル)〜1台目コントローラ〜(内部)〜1台目HDD〜(ケーブル)〜増設HDD
この場合、同時に接続すると、SCSI I/FからはID:0 LUN:0と
ID:0 LUN:1として認識されます(コントローラが1台のため、
IDは一つのみ)が、トラブルの元になるのでHDDは1台ずつに
した方がよいでしょう。

あと、ST-506の場合は終端抵抗がない場合もあります。

逆に(?)、SASIと銘打っていながらHDD自体はSCSI用を採用して
いる場合もあります。

--

と、いうことで、SASI HDDを眠らせている方は、結構楽しめるかもしれません。


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